「温」と「冷」を30話に、YouTube登録者54万人のナナフシギ・吉田猛々が贈る初の単著は880円
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怖い話を集めて語る人は多くいますが、その体験談を「怖くて終わり」にしない語り部は意外と少ないものです。
怪談YouTuber・ナナフシギの吉田猛々さんが9月28日に出した初の単著は、恐怖と温かさを同じ一冊に並べるという構成をとりました。
登録者数54万人を超えるチャンネルを持つ語り手が、初めて自分の名前だけで一冊にまとめた本。
竹書房怪談文庫という老舗レーベルから出たこの本の中身を確認すると、怪談本にしては珍しい編み方が見えてきます。
先に結論をまとめると:
– 『ナナフシギ 吉田猛々の温冷怪談 一人言』が9月28日、竹書房怪談文庫から880円(税込・224ページ)で発売
– 全国から集めた怪異体験談30話を、恐怖の「冷」と心温まる「温」に分けて収録
– 著者はコンビ「ナナフシギ」の一員で、7代目怪談最恐位・YouTube登録者54万人超の語り手
「怪談最恐位」が初めて一人で書いた本
吉田猛々さんは、相方の大赤見ノヴさんとのコンビ「ナナフシギ」で活動する怪談師です。
実話怪談の語り手を競う大会「怪談最恐戦」で7代目怪談最恐位の座を獲得し、YouTubeチャンネル「ナナフシギチャンネル」は登録者数54万人を超えています。
今年7月には竹書房の「夏の怪談文庫フェア2026」のアンバサダーにも就任しており、レーベルとの結びつきはこの単著の前から築かれていました。
これまでは共著やアンソロジーへの寄稿が中心だった吉田さんにとって、9月28日発売の『ナナフシギ 吉田猛々の温冷怪談 一人言』は自分の名前だけで出す初めての本になります。
竹書房怪談文庫(レーベル番号HO-798)の1冊として、224ページ・税込880円で書店に並びました。
動画発の語り手が紙の本を出すという選択
なぜ「温」と「冷」を分けて収録したのか
本書のテーマは「怖いものはとことん怖く、魂の温もりはじんわりと」というものです。
収録されているのは全国から集めた30話の怪異体験談で、これを恐怖に振り切った「冷」の話と、後味が温かい「温」の話に意図的に分けています。
怪談本の多くは怖さの純度を保つために統一したトーンで話をそろえますが、この本は逆に振れ幅を持たせる構成をとりました。
「代わってもらった日」「壊される公園」「カレー」といった具体的なタイトルの話に加え、「忌みぐるみ」「古呪」のような和風の語も並びます。
極限の恐怖の話とどこか笑えて泣ける話の両方を1冊に収めることで、怖い話が苦手な読者にも入り口を残す作りになっていると考えられます。
YouTubeで語ってきたことと本の違いは何か
ナナフシギチャンネルでは、これまで動画という形で怪異体験談を届けてきました。
今回の本は、その語りを文字に起こしただけのものではなく、書き下ろしを含むとみられる30話を新たに編んだものです。
動画では毎回1話ずつ独立して届けられるのに対し、本という形では「温」と「冷」という構成そのものが読者の体験になります。
1話ごとの怖さよりも、読み進める順番や並びが持つ効果を意識した編み方だと言えるでしょう。
竹書房との関係はいつから始まっていたのか
吉田さんと竹書房の関わりは、今回の単著が最初ではありません。
今年7月21日から始まった「夏の怪談文庫フェア2026」では、ナナフシギがアンバサダーとして起用されていました。
怪談YouTuberという動画発の肩書きを持つ語り手を、老舗の実話怪談レーベルが夏の看板企画に据えたことになります。
その数か月後に単著が出た流れを追うと、フェアでの起用は今回の本につながる布石だったとも読み取れます。
動画で人気を得た語り手を、レーベル側が段階を踏んで紙の本の書き手に迎え入れた形です。
Pintab編集部の考察:怪談語りにも「一人称の名前」が付く時代
怪談YouTuberという肩書きは、これまでチャンネルやコンビの名前で語られることが大半でした。
今回のように、コンビの片方が自分の名前だけを冠した本を出すのは、語り手個人にファンが付き始めている証拠だと見ることができます。
竹書房怪談文庫というレーベルの後ろ盾があることも、動画発の語り手が紙の本の世界でも通用する存在として扱われ始めていることを示しています。
「温」と「冷」を分けるという構成は、怖い話専門の読者だけでなく、実話怪談の入り口として本を手に取る人にも配慮した設計です。
動画で怖がらせることに慣れた語り手が、紙の本では緩急の付け方で勝負した点に、媒体ごとの語り方の違いへの意識がうかがえます。
まとめ
怪談YouTuber・ナナフシギの吉田猛々さんが、自身初の単著を竹書房怪談文庫から発売しました。
恐怖の「冷」と温もりの「温」を織り交ぜた30話は、文庫サイズの1冊に収まっており、書店やオンライン書店で購入できます。
動画で怪談に触れてきた人はもちろん、紙の実話怪談集を初めて手に取る人にとっても、入り口になりそうな一冊です。
さらに深掘りしたい方へ
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