マンガ・書籍

「見えませんか」から始まる違和感——るるぶ初のホラー小説『蓋ヶ瀬』が観光ガイドの顔を手放さない理由

Pintab編集部
「見えませんか」から始まる違和感——るるぶ初のホラー小説『蓋ヶ瀬』が観光ガイドの顔を手放さない理由
Mashupin

タプにゃんと一緒にチェックしてきたよ!

表紙は見慣れた「るるぶ」のロゴと、カラフルな観光地の写真。
ページをめくっていくと、盛り塩の写真と「見えませんか」という一文がまぎれ込んでいる——8月28日にJTBパブリッシングから発売された『るるぶ■■版 蓋ヶ瀬』は、旅行ガイドの体裁を最後まで崩さないままホラーへと転じる、るるぶ初のモキュメンタリー(本物の記録映像・資料であるかのように装って作られたフィクション作品)小説です。

気になったのは、なぜあの「るるぶ」がホラーに手を出したのかということでした。
半世紀以上、地域の観光情報を扱ってきたブランドが、なぜこのタイミングで“嘘”をつく側に回ったのか。
この記事では、SNSで話題になっている中身と、実際に買えるのか・いくらなのかを一次情報で確認していきます。

先に結論をまとめると:
– 発売日は2026年8月28日、著者は覆面作家「柿」、価格は1,760円(税込)。
全国の書店とネット書店で購入できます
– 見た目は普通の「るるぶ」と同じ観光ガイドですが、読み進めるほど盛り塩の写真やモノクロページ、黒く塗りつぶされたページなど不穏な要素が増えていく構成です
– 撮影地は栃木県足利市。
担当編集者は「半世紀以上続く『るるぶ』という器だからこそつける嘘がある」と、老舗ブランドだからこそ成立する企画だと説明しています

「見えませんか」——Xで4,600件超のいいねを集めた投稿

今回話題になったのは、るるぶ公式アカウント(@jtbp_books)が投稿した取材風景の動画です。
「『るるぶ■■版 蓋ヶ瀬』栃木県足利市での取材の様子を公開します」という文章とともに、動画が添付されています。
動画のサムネイルは黒地に赤い帯だけが浮かぶ作りで、「これから、あるガイドブックの制作過程で撮影された取材映像をご覧いただきます」という一文が表示されます
旅行ガイドの公式アカウントの投稿とは思えない、ホラー映画の冒頭のような演出です。

投稿文の末尾には「#るるぶ蓋ヶ瀬 ※見えませんか」という一言も添えられていて、いいねは4,605件、インプレッションは15万件を超えました。
ただ、この投稿だけでは、実際にどんな本で、いつからいくらで買えるのかまでは分かりません。
ここから先は一次情報を確認していきます。

JTBパブリッシングとるるぶ編集部に確認したこと

『蓋ヶ瀬』とはどんな本なのか?

JTBパブリッシングの公式発表によると、『るるぶ■■版 蓋ヶ瀬』は2026年8月28日(金)発売、判型はB5変形(縦223mm×横182mm)で80ページ、価格は1,760円(10%税込)です。
著者名は「柿」とだけ記載され、素性は明かされていません。

物語は所在地も行き方も分からない地名「蓋ヶ瀬」の観光ガイドとして始まり、途中から「なぜこのガイドブックが世に出たのか」という制作過程を追う小説へと切り替わる構成になっています。
東洋経済オンラインの報道によれば、序盤は「見る・食べる・遊ぶ」といった通常の「るるぶ」と同じキャッチコピーやカラフルな誌面が続きますが、進むにつれて盛り塩の写真や「見えませんか」といった記述、モノクロ写真、黒く塗りつぶされたページ、ネット掲示板のスクリーンショットなどが挟み込まれ、雰囲気が変わっていくといいます。

なぜ「るるぶ」がホラーに挑んだのか?

MANTANWEBのインタビューで、本作の編集を担当した柿沼由樹さんは、「変な家」などモキュメンタリー形式のホラー作品が話題になっていることに着目したと語っています。
「地域情報の先駆者である『るるぶ』はモキュメンタリー、中でも場所を用いたものと相性がいいのではないか」と考えたことが企画の出発点だったそうです。

さらに柿沼さんは「半世紀以上にわたって続く『るるぶ』という器だからこそ、つける『嘘』がある」とも話しています。
観光ガイドとして積み重ねてきた信頼があるからこそ、そこに紛れ込ませた違和感が効く、という理屈のようです。
撮影は栃木県足利市の施設の協力のもとで行われており、柿沼さんは「架空の地でありながら架空の地ではない」とも表現しています。

るるぶ公式も新刊案内の投稿で、「度々怪奇現象が起こるという謎の地域『蓋ヶ瀬』のるるぶ制作企画を立ち上げた編集部」という物語の設定を紹介していました。

実際にどこで、いくらで買えるのか?

入手のしやすさで言えば、この本は身構える必要のないタイトルです。
JTBパブリッシングの発表では「全国の書店、ネット書店」での取り扱いが明記されており、Amazonや楽天ブックスでも購入できます。
価格は1,760円(税込)です。
すでに発売日を迎えているため、気になった時点で書店に並んでいるかを確認すれば手に入る段階にあります。

Pintab編集部の考察

『蓋ヶ瀬』が面白いのは、買うかどうかの判断材料が「中身が怖いかどうか」だけではない点です。
表紙もカバーも普通の観光ガイドそのものなので、本棚に並べても浮きませんし、人に見せても「るるぶの新刊」で通じます。
ホラーコーナーに行かなくても、書店の旅行ガイド棚で見つかる可能性がある——その導線の作り方まで含めて仕掛けの一部になっているのではないでしょうか。

価格も1,760円と、普通の「るるぶ」より少し高い程度に収まっています。
モキュメンタリー系の映像作品やゲームは体験するのに時間や環境が必要になりがちですが、こちらは書店で手に取ってレジに持っていくだけで完結します。
ジャンルとしての目新しさに対して、試すハードルがかなり低く設定されている企画だと感じました。

まとめ

見た目は観光ガイド、中身は恐怖という二段構えの仕掛けが、『るるぶ■■版 蓋ヶ瀬』をここまで話題にしています。
気になった人は、まず書店の旅行ガイド棚から手に取ってみてください。

さらに深掘りしたい方へ

あわせて読みたい

ホビー・グッズの新着