「負けヒロインが多すぎる」なら殿堂入り目前――人気作家たちがXで頭を下げる理由
タプにゃんと一緒にチェックしてきたよ!
「今回『負けヒロインが多すぎる!』が3位以内に入ると殿堂入りとなります」。
9月4日の夜、「負けヒロインが多すぎる!」の著者・雨森たきび氏がそう投稿すると、ほかの人気作家たちのアカウントからも同じような呼びかけが次々と流れてきました。
年に一度のライトノベル人気投票が、今年も静かに始まっています。
普段は読者が一方的に「推す」側のはずのラノベ界隈で、なぜ作家本人がXで頭を下げてまで一票を求めるのか。
調べてみると、この企画の仕組みそのものに理由がありました。
先に結論をまとめると:
– 「このライトノベルがすごい!2027」のWeb投票が9月4日19時に始まり、締切は9月23日23時59分
– 対象は2025年9月1日〜2026年8月31日に発売された作品限定で、作品部門は10作品を書かないと無効になる
– 上位入賞は「殿堂入り」という一度きりの栄誉になるため、作家自身が読者に直接呼びかける構図が生まれている
作家たちが自分の本のために頭を下げた1週間
宝島社が毎年発行しているライトノベルガイドブック「このライトノベルがすごい!」は、2004年11月発売の2005年版から続く企画です。
今年で発売から20年を超え、業界では一種の風物詩になっています。
投票が始まった直後のXでは、作家自身の投稿がいくつも目立ちました。
ついに『このライトノベルがすごい!2027』のWebアンケートが始まりました❗️
— 雨森たきび@負けヒロインが多すぎる! (@amamori_takibi) 2026年9月4日
今回『負けヒロインが多すぎる!』が3位以内に入ると殿堂入りとなります❗️
よければ皆様、投票お願いいたします🙇
作品部門:負けヒロインが多すぎる!
イラストレーター部門:いみぎむる
URL https://t.co/1kqhgAKTS6… pic.twitter.com/gKQxZmVpzP
「負けヒロインが多すぎる!」の著者は、3位以内に入れば殿堂入りになることを説明したうえで投票を呼びかけています。
同じように「死亡遊戯で飯を食う。」や「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」の関係者からも、それぞれの作品名を挙げた投稿が相次ぎました。
ただ、こうした呼びかけは今に始まったことではなく、この投票にはもともと読者側にも細かい制約があります。
そこで、投票の仕組みそのものを確かめてみました。
調べて分かったこと
なぜ作家自身が投票をお願いするのか?
「このライトノベルがすごい!」は2017年版から、業界関係者による「協力者アンケート」と、一般読者による「Web投票」の二本立てで順位を決める方式に変わりました。
つまり2016年まであった「モニターアンケート(マクロミル調査による重読者対象)」が廃止され、後半5年で読者が直接投じる一票の比重が相対的に増えています。
だからこそ作家にとって、読者にX経由で直接お願いすることが、順位に跳ね返る現実的な手段になっているとみられます。
2026年版では、これまであったキャラクター部門(好きな女性・男性キャラクター)が廃止され、投票の焦点は作品部門とイラストレーター部門に絞られました。
部門が減った分、一票の集まりやすさが結果に与える影響は、以前より読み取りやすくなっているといえそうです。
投票にはどんなルールがあるのか?
対象になるのは2025年9月1日から2026年8月31日までに発売された作品に限られます。
作品部門では10作品を挙げることが必須で、10作に満たない回答は無効になります。
さらに自分が実際に読んでいない作品を書くことも認められておらず、アニメ化・コミカライズされた作品(原作ではなく漫画化・映像化された版そのもの)は対象外という条件もあります。
1人につき投票は1回のみで、同じ作品への重複投票やスパム的な回答もまとめて無効にされる仕組みです。
しっかりと10作品分の記憶を掘り起こす必要があるぶん、読者側にもそれなりの熱量が求められる投票だとわかります。
投票と並行して、電撃文庫のように出版社側から「今年もたくさん刊行しました」と自社作品をまとめて紹介する動きも見られました。
9月10日発売の新刊を絡めた告知も流れており、投票期間そのものが新刊の露出を後押しする材料にもなっているようです。
【9月10日発売】 電撃文庫 新刊情報!
— 電撃文庫 (@bunko_dengeki) 2026年8月31日
『初恋のアラサー負けヒロインがラブコメ後遺症を卒業してくれない』
俺が、初恋の人の失恋を終わらせる!
STORY▽
とある地方都市のシェアハウス。その住人にして管理人である高校生の山本依吹は、ハウスメイトの年上女性・霧島華月にがっかりしていた。… pic.twitter.com/oacHl21ejw
Pintab編集部の考察:一票の重みが可視化される数少ない機会
SNS時代のランキング企画は「いいね」や「フォロワー数」のような目に見える指標に頼りがちですが、「このライトノベルがすごい!」はいまも一人一票のアンケート形式を貫いています。
だからこそ、フォロワーの多い作家がただ発信力に頼るだけでは順位が動かず、読者一人ひとりに「実際に10作品を選んでもらう」手間を踏んでもらう必要があります。
これは裏を返せば、読者の可処分時間を奪い合う数ある企画のなかで、この投票だけは「読んでいない作品を書けない」という縛りが効いているということでもあります。
作家のお願い投稿が毎年恒例になっているのも、口コミよりよほど地道な積み重ねが結果を左右する企画だからこそ、と見ることができそうです。
刊行点数が多い出版社が新刊告知を絡めてくるのも、投票期間中は読者の目が自然とラノベ全体に向く、数少ないタイミングだからでしょう。
まとめ
「このライトノベルがすごい!2027」のWeb投票は9月23日23時59分まで実施されています。
一票の重みが今も生きている企画だからこそ、作家自身の呼びかけが毎年繰り返されているようです。
さらに深掘りしたい方へ
投票の詳細やルールは公式サイトで確認できます。
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