「新たな扉が観測されました」――LaLa創刊50周年、実在する雑誌を巻き込んだARGの仕掛け
タプにゃんと一緒にチェックしてきたよ!
「新たな扉が観測されました」。
9月24日、そんな一文から始まる投稿が少女漫画誌「LaLa」の読者の間で急速に広がりました。
ゲーム機もアプリも要らない、けれど画面の外にある現実まで巻き込んでくる——そういう類の「ゲーム」が、50年続いた雑誌の節目に登場したのです。
この記事を読むと、何が起きているのか、そしてなぜ実在の雑誌が「物語の舞台」に選ばれたのかが分かります。
先に結論をまとめると:
– クリエイター集団・第四境界が手がけたARG(代替現実ゲーム)「Their Beginning」が9月24日に無料公開されました
– 作中に登場する新人漫画家の投稿作品が、現実の「LaLa」11月号に実際に掲載されるという仕掛けが組まれています
– PR動画には早見沙織さん・岡本信彦さんら声優が参加し、Xでは公開から1日足らずで2,000件超のいいねを集めました
LaLaの編集部を舞台にした「日常侵蝕ゲーム」
白泉社の少女漫画誌「LaLa」は、2026年で創刊50周年を迎えました。
その記念企画として9月24日に公開されたのが、クリエイター集団・第四境界による「日常侵蝕ゲーム」というジャンルのARG「Their Beginning」です。
第四境界の公式アカウントは、次のように投稿しています。
新たな扉が観測されました
— 第四境界 (@daiyonkyokai) 2026年9月24日
━━━━━━━━━━━━━
Their Beginninghttps://t.co/TrXo8DW6us
━━━━━━━━━━━━━
あなたの手で新人漫画家と編集者の
過去を解き明かしてください
これは、創刊50周年を迎えた
ある少女漫画雑誌の物語です pic.twitter.com/P06tfRwqce
「新たな扉が観測されました」というひと言から始まり、「あなたの手で新人漫画家と編集者の過去を解き明かしてください」と続くこの投稿には、公開からわずか1日足らずで2,000件を超えるいいねが集まりました。
ゲームの舞台になっているのは、創刊50周年を迎えたLaLaという実在の雑誌そのものです。
ただ、「日常侵蝕ゲーム」という耳慣れない言葉だけでは、具体的に何が起きるのかは伝わりません。
実際に公式発表や関連記事をたどり、仕組みを確かめてみました。
何を調べれば分かるのか?
「Their Beginning」は、専用のゲーム機やアプリを使わない形式のARGです。
新進気鋭の少女漫画家・芹沢せりさんと、担当編集者・篠島さんという二人の「過去」を、投稿者が芹沢さんのトーク画面や手がかりから解き明かしていく構成になっています。
物語の軸になっているのは、二人が月刊「LaLa」への新作掲載を目指していたにもかかわらず、いつしかすれ違い、芹沢さんが表舞台から姿を消してしまった経緯です。
芹沢せりさんと篠島さんは、いずれもこのARGのために作られた架空の登場人物で、実在の漫画家についての話ではありません。
現実の編集部を舞台にしながらも、描かれているのはあくまでゲーム内の物語です。
なぜ「実在の雑誌」を巻き込む仕掛けが成立するのか?
このARGが単なるフィクションで終わらない最大の理由は、作中に登場する芹沢さんの投稿作品「マクアケ」のネームが、実際の「LaLa」11月号(9月24日発売・税込650円)に掲載されるという連動企画にあります。
架空のキャラクターが描いたはずの漫画を、読者は実在の雑誌のページで確かめられる。
ゲームの中だけで完結せず、現実の書店に並ぶ一冊にまで仕掛けがつながっているわけです。
LaLa公式アカウントも、11月号の発売にあわせてこう投稿しています。
🍠━━━━━✨
— LaLa編集部 (@LaLa_info) 2026年9月24日
本日発売!!
#LaLa11月号
🍂━━━━━🍠
表紙👶
『#学園ベビーシッターズ』時計野はり
巻頭カラー🐾
『#100回まわって愛を啼け』池ジュン子
特別コラボ読切カラー51P👓
『#ヒミツの彼氏さま』藤原ヒロ 猶本三羽
『#マクアケ』芹沢せり
超豪華ふろく♠
LaLa50th… pic.twitter.com/SHVG0KsA7r
投稿では表紙や巻頭カラー作品と並んで「マクアケ 芹沢せり」というタイトルが挙げられており、豪華ふろく付きの「LaLa50th」記念号であることが分かります。
ARGの物語で語られていた「新人漫画家の投稿作」が、ページをめくれば本当に存在する——この二重構造こそが、読者の間で話題になっている理由だと考えられます。
声優の参加は何のためだったのか?
作中作品「マクアケ」を紹介する動画には、早見沙織さんがリズ役、岡本信彦さんがレニー役で声を担当し、前川涼子さんがナレーションを務めています。
岡本さんは自身のアカウントで、参加への喜びをこう綴りました。
LaLa50周年おめでとうございます!
— 岡本信彦 (@ok_nobuhiko) 2026年9月24日
数々の作品でキャラクターに声を入れさせていただきましたが、このようなスペシャル企画にも参加できて光栄です✨ https://t.co/ScCMSwsOeT
「数々の作品でキャラクターに声を入れさせていただきましたが、このようなスペシャル企画にも参加できて光栄です」という言葉には、架空の作中作品にもかかわらず本格的な声優キャストが組まれたことへの手応えがにじんでいます。
Pintab編集部の考察
50周年という節目で雑誌側が仕掛けたのは、単なる記念企画の告知ではなく「読者自身に謎を解かせる」参加型の体験でした。
ARGというジャンルは本来、映画やゲームのプロモーションで使われることが多い手法ですが、それを紙媒体の少女漫画誌が採用した点が今回の珍しさだと言えます。
注目したいのは、ゲーム内の「架空の投稿作」を現実の雑誌に実際に掲載するという構造です。
これは単なる企画告知ではなく、「物語を読み終えた読者が、次に本物の雑誌を手に取る」動線を作る仕組みでもあります。
声優キャストという本格的な作り込みも、架空の作品を「実在するかのように」感じさせるための土台になっているのでしょう。
読者にとっては、雑誌を「買う理由」がゲームを通じて自然と生まれる構成になっています。
まとめ
LaLa創刊50周年を記念したARG「Their Beginning」は、架空のキャラクターが描いた漫画を実在の雑誌に掲載するという仕掛けで、多くの読者の関心を集めました。
気になった方は、まずゲームに触れてから11月号を手に取ってみると、二重の仕掛けを実感できるはずです。
さらに深掘りしたい方へ
あわせて読みたい
「本誌凱旋!!!」で沸くLaLa10月号620円、27人の作家が集まったふろくの中身
『七つの大罪』から4日後、『スキップとローファー』が”24時間限定無料”に選ばれた9月21日
「待望のコミカライズ決定!」――中華BL『さはん』新情報、発表が主人公の誕生日と重なった理由
「作品の舞台・亀有からお祝いします」――こち亀50周年、記念館15万人突破と名曲の初レコード化
「実は、さっきそこの川で」――『叛逆のニジガサキ』131話、1カ月越しの伏線が水着姿で回収された
